◇中間層、厚く豊かに　信頼回復、時間かかるが…
　安倍政権の下で、物価は確実に上がっているが賃金は上がらず、人々の生活は苦しくなっている。改革も全く進んでいない。衆院定数の削減を通常国会でやらず、
社会保障制度改革も自民党の案を出さなかった。外交も、肝心の中国、韓国とまだ首脳会談が行われていない。

　民主党は国民の暮らしをしっかり守るという観点で、これまで社会を支えてきた中間層をさらに厚く豊かにする、
社会保障の将来への不安を払拭（ふっしょく）する、若年層の雇用や賃金の問題、子育て支援などを訴えていく。

　「ねじれ」解消がとりたてて争点になるとは思っていない。ねじれも国民が選ぶ結果で、自民党が争点化して１議席でも多く取りたいという話だ。
通常国会で（政府提出の）法案は８４％が成立した。十分いい成績だ。大事な税制関連法案などは全部協力し成立させた。

　参院選は、「自公の過半数阻止」かつ「自民と維新の改憲勢力の３分の２阻止」が目標だ。とにかくやってみなければ分からない。
参院選後の進退については、これから（選挙戦が）始まるので一切言わない。次の衆院選の話もまだ早い。今は立て直しの段階だ。

　東京都議選の結果は、民主党に対する期待が失望に変わり、その失望がまだ信頼に変わっていないということだ。
信頼回復には時間がかかるが、全員が一生懸命やっている姿を見せるかどうかだ。

　全国を回って一番多かったのは、党内のバラバラ感をなくしてくれという話。確かに参院議員の何人かは自分の選挙を考えて右往左往し、
民主党を出て行った人もいる。だが、昨年の衆院選で当選した５７人は皆頑張っていこうという思いだ。今、党内はちゃんとまとまっている。【聞き手・笈田直樹】

毎日新聞　2013年07月02日　東京朝刊　２０１３参院選:党首に聞く　民主党・海江田万里代表
http://senkyo.mainichi.jp/news/20130702ddm005010104000c.html